昭和30(1955)年9月27日、天理教音楽研究会は創設されました。
50年の活動を綴った天理教音楽研究会史の中で、創設者は創設の思いを次のように述べられています。

 天理教音楽研究会会長 中 山 善 衞 (2010.02.26)

「音楽研究会を創めるに当たって、私には二つの思いがあったのであります。

一つはおつとめの研究、完成ということであります。勿論おつとめは、つとめる者の心のあり方が問題であることは、今更他言を要さないことではありますが、それに加えて、音楽研究会は形の上での完成を目指して努力を傾けたいと希ったのであります。

もう一つの思いは、音楽を通して信仰の喜びを掘り下げ、また、その喜びを人に伝える、所謂文化的な面での布教活動を目指すところに、その意義があると考えたからであります。たまたま時を同じくして、おやさとやかた第1期工事が真っ最中でもあり、父のすすめもあって真東棟に音楽研究室が誕生することになりました。

音楽研究会50年の来し方を振り返る時、当初の目的であった、みかぐらうた旋律の記譜をはじめ、鳴物研究など、完成とはいえなくとも形の上で一応の成果はあったと思っていますし、文化的な面での布教活動の分野でも、おふでさきに曲をつけて親しませていただき、自らの心を掘り下げ、他の人へ喜びを伝えようと願った「おうた」も19曲に達し、その発表においても、教祖をお慕いする者のみで演奏が可能となり、にをいがけの一助とならせていただいているものと自負しております。

今後、次の50年に向かって、おつとめの研究は申すまでもなく、音楽を通して、更にわれわれの信仰を世に訴える手段として、合唱、器楽、雅楽、そして作曲と全部門の活動を活かして、層一層の充実を願うものであります。」(天理教音楽研究会史第1巻から抜粋)

◎設立趣旨。
「音楽研究会は、おつとめ研究の一助として教義研究の場所たるおやさとやかた真東棟に設けられた。
真剣な音楽の勉強を通して、各自の信仰を掘り下げ、更には、その研鑽に和む一手一つの姿を以て、目的達成の過程にも、たすけ一條のにをいがけの御用を果したいと希うものである。」